2025年
11月 10日

「白菜」薬剤師:白井文隆コラム10

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11月に入り、本格的な寒さを感じる日が増えてきました。

秋が短かった今年は、温かい鍋が恋しくなるのも早いですね。

そんな鍋に欠かせない名脇役が「白菜」。実は、部位ごとに得意な栄養が少しずつ違います。ここではビタミンC・ビタミンK・βカロテン・カリウムに注目して、その栄養素を解説していきます。

 

【ビタミンC】

ビタミンCは白菜の外葉に多く含まれています。

ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。

ビタミンCには主に2つの役割があります。

 1つ目に、皮膚や骨、血管などの構造を支えるコラーゲンの合成を助けます。

2つ目に、ビタミンCには、抗酸化作用があり、私たちの体内では日々生じるフリーラジカル(活性酸素)から体を守ってくれます。

特に冬は寒さなどの外的ストレスが増える時期なので、ビタミンCの摂取が大事になります。

 

【ビタミンK】

ビタミンKも白菜の外葉に多く含まれています。

ビタミンKは脂溶性ビタミンに分類されます。ビタミンKは、K1~K3の3種類が存在しており、白菜にはビタミンK1が多く含まれています。

ビタミンKには主に2つの役割があります。

1つ目に、血液凝固作用があり、血液を固めるために必要なプロトロンビンという血液凝固因子の活性化をしてくれます。

2つ目に、骨形成があり、骨の生成に必要なたんぱく質であるオステオカルシンを活性化させます。そして、骨の主成分ヒドロキシアパタイトへのカルシウム結合をスムーズにして、骨形成を促進します。

 

【βカロテン】

βカロテンも外葉に多く含まれています。

βカロテンはカロテノイド(脂溶性色素)の1種であり、小腸で吸収され代謝されるとビタミンAに変換されます。

ビタミンAは、目の網膜に存在する感光物質ロドプシンの生成に必要で、視覚機能の向上に役立ちます。

一部のβカロテンはビタミンAに変換されずに脂肪組織や肝臓に貯蔵され、そのまま抗酸化作用を発揮して、ビタミンC同様、体の酸化ストレスを軽減します。

 

【カリウム】

カリウムは葉の中心部に多く存在しています。

カリウムは細胞内に多く存在し、細胞内外の浸透圧の調整や水分バランスの維持に関わる重要なミネラルです。
体内におけるカリウムとナトリウムのバランスが崩れると、水分の排出が滞り、むくみや倦怠感の原因となることがあります。
カリウムは体内のナトリウムを体内の余分な水分と一緒に排出するのを助け、むくみの解消を助けることに加え、だるさや倦怠感を緩和してくれる作用があります。

 

いかがでしたでしょうか。

冷え込みが強まる11月こそ、白菜の力が生きてきます。

外葉でビタミンC・βカロテン・ビタミンK、中心部でカリウムと、捨てるところの少ない一玉を上手に使い切って、冬を元気に過ごす土台づくりに活かしてみるのはいかがでしょうか。

 


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