「セリ」薬剤師:白井文隆コラム⑫
あけましておめでとうございます
さて、新たに2026年が始まりました。
寒さが厳しくなる1月は、体調管理を特に意識したい時期。
そんな1月の行事のひとつに、「春の七草」があります。

セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロの7種類からなる春の七草は、1月7日の人日(じんじつ)の節句に食べることで、「1年間を無病息災で過ごせる」と古くから伝えられています。
この春の七草の中でも、1月に旬を迎える代表的な食材がセリです。
独特の香りとシャキッとした食感が特徴で、栄養面でも優れた野菜です。
今回は、セリに含まれる代表的な成分であるカリウム、ビタミンC、βカロテン、ケルセチンをピックアップしてご紹介します。
【カリウム】
カリウムは体内の細胞の中に多く存在し、水分バランスや浸透圧の調整に関わる重要なミネラルです。
私たちの体では、カリウムとナトリウムのバランスが保たれることで、余分な水分が適切に排出されます。
このバランスが崩れると、水分が体内に溜まりやすくなり、むくみやだるさの原因となることがあります。
カリウムには、体内の余分なナトリウムと水分の排出を助ける働きがあり、むくみの改善や体のスッキリ感につながります。
寒さや運動不足で体が重く感じやすい冬の時期にも、積極的に摂りたい栄養素です。
【ビタミンC】
ビタミンCは水溶性ビタミンの一種で、体内で作ることができないため、食事からの摂取が必要です。
皮膚や血管、骨などを支えるコラーゲンの生成には、ビタミンCが欠かせません。
コラーゲンが作られる過程で、ビタミンCは重要な補助役として働いています。
また、ビタミンCには抗酸化作用があります。
私たちの体内では日常生活の中で活性酸素が発生し、細胞のダメージや老化の原因となります。
ビタミンCはこれらを除去し、体を酸化ストレスから守る働きをします。
さらに、野菜に多く含まれる非ヘム鉄の吸収を助ける作用もあり、鉄分が効率よく吸収されることで、疲れにくい体づくりにも役立ちます。
【βカロテン】
βカロテンは、植物に多く含まれるカロテノイドの一種です。
体内に吸収されると、必要に応じてビタミンAに変換されます。
ビタミンAは、目の網膜で光を感じ取る物質の生成に関わり、視覚機能の維持に重要な役割を果たします。
また、βカロテンの一部はビタミンAに変換されず、そのまま体内で抗酸化作用を発揮します。
これにより、体の酸化ストレスを軽減し、健康維持に貢献します。
【ケルセチン】
ケルセチンは、ポリフェノールの一種で、ビタミンCと同様に抗酸化作用を持つ成分です。
体内で発生する活性酸素を抑え、細胞が酸化によるストレスを防ぐ働きがあります。
さらに、ケルセチンは腸内環境の改善にも関与すると考えられており、腸内細菌のバランスを整えることで、善玉菌の増加や悪玉菌抑制などにより、免疫機能の維持をサポートしてくれます。
いかがでしたでしょうか。
セリは香りや味わいだけでなく、冬から春へと移り変わる季節にうれしい栄養素を多く含む野菜です。
酸化ストレス軽減など、体の内側から守ってくれる成分が沢山含まれています。
春の七草粥やおひたしなど、日々の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
本年も食品の栄養素について詳しくお話させて頂きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。




