「アスパラガス」薬剤師:白井文隆コラム4

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5月下旬、 長野県では田植えの終わった水田を渡る風も心地よい季節、そろそろ学生の制服も夏服に移行する頃でしょうか。この季節に旬を迎える食材の一つが「アスパラガス」です。

アスパラガスにはグリーンアスパラガスとホワイトアスパラガスの2種類があります。

グリーンアスパラガスは日光を浴びて育ち、葉緑体が生成されることで鮮やかな緑色になります。栄養が豊富で、疲労回復を助けるアスパラギン酸や抗酸化作用のあるルチンが豊富に含まれています。 一方のホワイトアスパラガスは日光を遮断して栽培されるため、葉緑体が生成されず、やさしい白色に育ちます。えぐみが少なく甘みが際立つ、やさしい味わいが魅力です。

栄養素が豊富に含まれるアスパラガス。 今回は、特に注目されるルチン、アスパラギン酸、葉酸、βカロテンについて詳しく見ていきましょう。

 

【ルチン】

ルチンはポリフェノールの一種であるフラボノイドに分類され、別名ビタミンPと呼ばれています。

体内で発生する活性酸素(フリーラジカル)を除去して細胞膜や血管内皮を酸化ストレスから守り、老化や生活習慣病のリスク低減に寄与します。

また、ビタミンCの吸収率を高める作用を持ち、コラーゲン合成を助け、肌・骨・血管の健康維持に貢献します。

 

【アスパラギン酸】

アスパラギン酸はタンパク質を構成する非必須アミノ酸で、エネルギー代謝と解毒の双方で重要な役割を担います。クエン酸回路(TCA回路)の中間体としてATP生成を促進し、疲労回復やスタミナ維持に寄与します。また尿素回路ではアンモニアと結合して尿素を合成し、有毒なアンモニアを無毒化して体外へ排出するため、肝臓の解毒機能に寄与します。

 

【葉酸】

葉酸は水溶性ビタミンの一種で、DNAやRNAといった核酸の合成に必要不可欠な栄養素です。

葉酸は特に赤血球の形成過程に重要であり、ビタミンB12とともに正常な赤血球の生成を促します。 これらが不足すると赤血球が成熟できず貧血を引き起こす可能性があります。

また、葉酸は細胞分裂を必要とするすべての場面で重要な働きをするため、胎児の正常な発育にも不可欠です。

 

 

【βカロテン】

βカロテンはカロテノイド(脂溶性色素)の1種であり、小腸で吸収され代謝されるとビタミンAに変換されます。

ビタミンAは、目の網膜に存在する感光物質ロドプシンの生成に必要で、視覚機能の向上に役立ちます。

一部のβカロテンはビタミンAに変換されずに脂肪組織や肝臓に貯蔵され、そのまま抗酸化作用を発揮して、体の酸化ストレスを軽減します。

 

4月~6月が旬のアスパラガスは、春の訪れとともに瑞々しく育ち、まさに今が食べごろです。

この季節限定の味覚を楽しみながら、春の食卓に彩りと栄養を添えてみてはいかがでしょうか。

 


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