2016年
1月 29日

先天性中枢性肺胞低換気症候群とは?

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こんにちは。スタッフのまりもですヽ(´▽`*)ゝ

 

「先天性中枢性肺胞低換気症候群」というとても長くて難しい名前の病気を皆さんご存知でしょうか?

この言葉を調べてみると、「脳幹部の自律神経中枢の先天的な形成異常、機能不全による重篤な呼吸障害であり、睡眠時に呼吸不全を起こす病気」と記されています。

つまり、本来自律神経系が担っている「呼吸機能」が、起きている間は正常な呼吸機能が保たれているのに対し、睡眠時には何らかの原因でそれが麻痺してしまい、正常な呼吸機能が保たれず「呼吸不全」を起こしてしまう病気なのです。

もっと簡単に言うと、「眠ると呼吸が止まってしまい、最終的には死んでしまう」という何とも恐ろしい病気なのです。

 

○「オンディーヌの呪い」

実は「先天性中枢性肺胞低換気症候群」は別名「オンディーヌの呪い」とも呼ばれています。

諸説ありますが、物語の背景としては、水の精霊である「オンディーヌ」が、人間の騎士である「ハンス」と禁断の恋に落ちてしまうものの、結果的に人間「ハンス」に裏切られてしまい、「裏切られた場合は相手を殺す」という精霊界の掟を守るために、裏切った人間には「眠ると死ぬ」という呪いをかけたのです。そこから、「睡眠時に重篤な症状が起きる病気」のことを「オンディーヌの呪い」と呼ぶようになったそうです。

現在は「先天性中枢性肺胞低換気症候群」に限らず、類似している他の病気も含め総称して「オンディーヌの呪い」と呼ぶことが多くなっているようです。

 

○「原因と治療法」

冒頭にもお話したとおり、この病気の発症には自律神経系に関する「遺伝子レベル」での異常が背景にあるとされ、中枢神経の自立神経細胞の発生に関与する「転写因子遺伝子」に変異があることが判明しております。

ただし、このケースは全世界的に見ても極めて稀な変異であり、報告例は200名にも満たないほど珍しい病気なのです。

しかも、呼吸中枢の障害に対する有効な治療法はなく、「人口呼吸管理」が必須であり、いかに低換気による低酸素血症、高二酸化炭素血症を防ぐかが重要だとされております。

方法としては「気管切開」からの人工呼吸管理療法や「鼻マスク」「フェイスマスク」からの非侵襲的陽圧換気療法などがあります。

いずれにしても、どのような治療法にも一長一短があり、年齢や症状により合ったものを選択する必要があると言えます。

 

○「類似した病気」

「肺胞低換気症候群」には先天的にではなく、実は「肥満」からくるものもあるといわれております。「肥満」により、気道の上部が閉鎖することで「呼吸困難」になることがあるそうです。

一般的に聞き馴染みのある病気で「睡眠時無呼吸症候群」がありますが、これも眠っている間に何度も呼吸が止まってしまう病気です。

この病気の判断基準としては、前兆となる「睡眠時の過度のいびき」や「異常なまでの昼間の眠気」などがあげられます。もし、ご自身にそのような徴候がみられる方は、一度病院で検査を受けてみることをお勧めします。

 

大人だけではなく赤ちゃんに関するもので「乳幼児突然死症候群(SIDS)」も睡眠時に突然死亡してしまう病気として知られています。

こちらも原因はいまだにはっきりとは解明されておりませんが、予防策として「うつ伏せ寝をさせない」とか「赤ちゃんの周囲で喫煙しない」ことで発症率を減らせることが分かってきております。

 

大切な命を守るために十分気を付けたいものですね。

 

 

 


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