細川式トータル健康法
コラム3 「肝心要」体内を巡る血液の質こそ健康の源
健康を維持するポイントとは?
みなさんは健康の定義ってご存知ですか?
健康というのは、単に病気がないとか、生活に支障や障害がないということではありません。
精神的、肉体的、物質的、社会的、すべての面で完全な状態であり
調和がとれた状態を言います。
そのような状態を本当の健康というふうにWHO(世界保健機関)でも定義付けられています。
では、その「健康な状態」とは、どういうことかを少し考えてみたいと思います。
この地球上にいるあらゆる生物は、その生物の体が正常な状態なら、
体内で必要な微生物を繁殖する栄養質を持っている。
いっぽうで、健康な生物なら、不要な微生物が繁殖するための栄養素は、体内にはまったくないのです。
つまり、健康なからだには、不要な微生物は繁殖できないのです。
どんな恐ろしい菌が体内に入っても、目に入っても鼻に入っても、繁殖できないのです。
健康を維持するには、体内の環境作りがポイントなのです。
体内の環境には、血液が大きく関係している
では、体内の環境とは具体的にどういうことをさすのでしょうか?
人間の体は細胞で出来ています。
そしてその細胞60~70兆で構成されており(構成するもの以外をあわせると100兆)、その細胞の活動によって私たちの体や生命が維持できています。
そして、その細胞1つ1つに、栄養素や酸素を送り、老廃物を排出できるように細胞の周りを常に体液が流れています。
よって、環境が正常だということはどういうことかと言えば、
この周辺を流れる体液が完璧なバランスを保っているということです。
つまり完璧なバランスを保っているということは、
その細胞が働くために必要なすべての成分が完璧なバランスで含まれており、
滞りなく流れていることと言えます。
では、ここに流れている体液は何かということですが、
これは血液そのものと言ってもいいです。
体の中を流れている液体の成分は、大半が水なのです。
その水が全身を細胞の中やその周りを流れて、リンパ管の中に入っていったり、静脈の中に入っていったりするのです。
そして、全身をずっと流れて余計なものを回収した液体は、やがて肝臓に入って
処理されて、そして十二指腸から出て便と一緒に排除されます。
ほとんどのものは腎臓に回ってろ過され、不要なものだけは尿として外に排泄されます。
そして必要なものは動脈から供給されていく。
こういう循環が常に行われているのです。
このとき、この液体がリンパ管の中に入ればリンパ液、
静脈の中に入れば静脈血、つまり血液ですね。動脈の中を流れている、これも血液ですね。
そういうふうに体中に液体はありますが、場所によって名称と働きが違うというだけであって、
常に形を変えて全身をそういう液体、つまり血液が流れているのです。
血液がすべて形を変えて全身の細胞を養っているということなのです。
だから血というものは昔から非常に大事にされていて、
血液が細胞を養うということの理由であります。
人間の体の中では、1日に約7000億の細胞が生まれていると言われます。
この細胞の素材、原料は、すべて血液です。
だから血液は細胞を養う働きと同時に細胞に変わっているのです。
血液の質が悪ければ、当然細胞の質は悪くなってしまいます。
細胞の質をよくしよう、あるいは細胞の働きを上げようという場合には、
まず基本的には血液を浄化し、質をよくするということが大切です。
これをやらない限り、自然治癒力は上がりません。
自然治癒力を上げるためには、代謝を上げなければいけません。
代謝を上げるということは細胞の基本機能が上がるということなのです。
その細胞の基本機能を上げるためには血液の質が大事、
新しい細胞の質がよくなるためにも、血液の質が大事なんです。
だからこの血液が一番根本になるわけですね。
環境づくりのためには、そこで流れる血液、そしてその質が大事だということです。
食と心と血液が良循環を生む
健康な状態を維持するために環境づくりが重要であり、
そのためには血液の質が大事であるとお伝えしてきました。
では、血液の質をよくするにはどうしたらよいのでしょうか。
まずは、血液はどうやってつくられているかというところから考えてみたいと思います。
血液は食べ物と水から作られます。これらが血液の質を決定します。
そして、食べ物よりもっと大事なことがあります。
それは意識、そう心です。心の状態が血液に影響するのです。
食と心、この2つが非常に重要です。
これらが血液には大きく影響するということなのです。
ただ、ストレスの多い世の中で、心を整えていくことはとても難しい。
ですがもう1つの要素である食物、こちらは努力をすればすぐに改善することができます。
いいものを食べていけばいいわけですからね。だから、やれることからどんどん変えていく。
食べ物のレベルを高めていくことによって、血液に作用する。
そうすると、血液が細胞に作用する。細胞は脳細胞まで全部含めています。
ということは血液の質がよくなれば、心が調和・安定しやすくなるということです。
良い食べ物をとった上で、心を調和する努力をしていくと良い循環が生まれてくるのです。
肝心要…血液の質を上げるのは「肝」と「心」
血液を正常に保つために、最も大事な臓器は、小腸と肝臓と心臓です。
血液というとすぐに血管と心臓を思い浮かべると思うのですが、
そこで血を作ることはありませんから、血液の質に影響を与えることはありません。
食物の栄養は、小腸から吸収されたものが肝臓に流れていき、血液がどんどんつくられています。
血液は、肝臓内でできたり、小腸の周辺でできたりとさまざまなところで作られています。
骨髄から血液がつくられるのは、緊急事態の場合の備蓄なのです。
いっぽうで、血液中にはどんどん余計な老廃物や外部からの毒素が入ってきたり、
内部で毒素が発生したりします。これを処理するのも全部肝臓なのです。
肝臓は、余計なものを分解・排除して排泄をするというだけではなくて、血液中に必要なものを生産するはたらきも担っています。
よって肝機能が高ければ、血液の質を非常にきれいな、レベルの高い状態で保つことができる。
食物と心の状態を保つというのはそのベースとなる不可欠な要素です。
肝機能を高めていくにはどうしたらいいか。
まず一番大事なことは肝臓の負荷を減らすこと。
負荷を減らすということは肝臓の働きをあまり過大にしないことです。
現代人の肝臓はものすごく疲れていて、肝臓病が増えています。
それは過大な負担をかけているからです。
負担をかけるものは、身近なものでは農薬、周辺の化学物質、食品添加物、水道水に含まれる化学物質、
これらが私たちの想像を超えるほど多いのです。これらをすべて肝臓が処理しているのです。
そして、体に入る一番量が多い化学物質は、食品に含まれています。
まず食べ物をを安全なものにするだけで肝臓の負荷は軽くなってきます。
これで機能が上がる条件ができます。
さらにその上で、肝臓に直接その機能を高めるような成分を送り込むという方法もあります。
それは例えば、ニラとかもやし、あるいは大根の葉っぱとか
ニンジンの葉っぱ、普通は捨てるものですよね。
あるいはハト麦。これはちょっと馴染みがないかもしれませんけれども肝機能を高めます。
お茶の葉、しじみとか牡蠣、海草も肝機能を高める。
このような、肝機能が高まる食べ物を積極的にとっていきましょう。
「肝に銘じる」「肝っ玉」「肝試し」と肝(キモ)という言葉は、
古来より”もっとも大切な”という意味として使われていますよね。
肝臓は、その肝という言葉が使われた大切な臓器であることが納得できます。