いのちをいただく② ~自然療法に向き合う時が来た!~


前回の『いのちをいただく①』を書き終えた後、四つ離れた妹の喉に腫瘍が見つかりました。三ヶ月前に風邪をこじらせ、風邪は治ったものの、喉の辺りの違和感が続いていたのは私も知っていました。飲み込みがうまくできない、たまに大きなものが喉を塞いでしまい息ができなくなると不安がっていましたが、病院を転々とするうちに中咽頭に腫瘍ができていて、それが悪い腫瘍だということが分かりました。

詳細な症状やステージなどは次回のMRI検査にていずれ分かるのだと思いますが、気が動転して塞いでしまった妹を横目に、私は『いよいよ本当に自然療法を勉強しなければいけない時がきたんだ』と、不安よりも何か使命感みたいなものを感じたのを今でも覚えています。

妹の付き添いから帰ってきて一番に手をとったのは、東城百合子さんの『自然療法』でした。

妹のために私ができることは何かだけを必死に探しました。病気別の自然療法のページの中から『咽頭ガン』という項目を見つけました。まるで東城先生が患っていたかのように具体的な症状と、それに準ずる自然療法が掲載されていました。私は必死にそれをメモし、お守りのように財布に入れました。

そこに書いてあったことはこんなことです(一部抜粋)。

『咽頭ガンは必ず炎症を伴っているため、抗生物質の内服薬や吸入をすると一時的にはよくなっても再び悪化を続けます。ここで放射線などをかけると死期が早まることも』。

今まで何不自由なく生きてきた私たち家族の前に突然現れた『死』という文字。これには私も平静を保つことができませんでしたが、心の奥底で『いや、自然療法があるんだ』とそれでも負ける気はしませんでした。

自然療法には『食事法』『手当法』があります…といっても実行するにはかなりの手間暇がかかります。『ただ家族が健康に』というだけでは時間の面も考えるとなかなか真剣に取り組むことは難しいのではないでしょうか。でも、今、私自身の立場がこうなった以上、ここは真剣に向き合うことになるんだろうと。そしてそれはかなりの長い時間を要するんだろうということだけは分かりました。

 

【咽頭ガンの食事法(他のガンもほぼ同等です)】

  • 主食=玄米スープ、玄米がゆ、玄米小豆飯、玄米胚芽、はと麦入りのお好み焼き、はと麦ご飯。
  •  副食=味噌汁、麸、わかめ、ねぎ、根菜類、昆布の煮しめ、れんこん、玉ねぎ、にんじん、百合根などの煮しめ
  • 食薬=梅肉エキス、エゾウコギエキス、よもぎエキス、酵素、すぎな、ビワ葉エッセンス、ビワの種。
  • 飲物=ビワ葉のお茶、はと麦茶、山の番茶、すぎな茶。
  • 禁食=肉類、卵、チーズ、バター、脂っこいもの赤身魚、輸入品の果物、白砂糖、加工食品、精白食品、季節はずれのもの

 

【咽頭ガンの手当法】

  • ビワの葉の温かい前汁や山の番茶に塩を入れうがいをする。
  • その後、喉に生姜湿布を10~15分してから芋パスターを貼る。
  • ビワの生葉を貼ってもよい。
  • 肝、腎、脾の手当、ビワ葉温灸療法は非常によい。

以上が咽頭ガンの食事法と手当法です。
私がまず始めようと思っているのは食事法です。

以前より妹の食生活を見ていると、あまりに偏りすぎたり、刺激物を好んだり、現れるべく現れた病気なのかなとも思っています。妹が今まで行ってきた悪い習慣(食生活)を打ち崩すべく、ここは少し強引にでも進めなければいけないと思っています。一気に変えることは難しいかもしれません。

まずは主食を玄米に切り替えてもらうため、白米に少しずつ玄米を足していくことを母にお願いしました。

私が一緒に住んでいれば毎日でも作ってあげられるのにそれがもどかしいのですが、今はこうするしか他ありません。そして今度実家に行ったときに作れるよう、玄米スープを試しに作ってみました。

 

【玄米スープの作り方】

  1. 玄米を洗って布巾で拭き、土鍋に入れ弱火で30~40分炒る。
  2. 米一合につき七合の水を入れ、おかゆにしていく。
  3. 沸騰したらとろ火で一時間。これを布袋に入れ、しゃもじでしごきトロリとした『おねば』をとります。薄い塩味にしていただきます。

出典:ケンカツ!byマキノ出版ホームページ

 

半日かかりました。とても大変な作業でした。
火にかける時間はその場で見ていないといけなくて、その時間がとてつもなく長く感じました。味もおいしいとまではいきません。大変だからと作り置きもできません。でも、このぐらいまでしないと命を再生することはできないんだなと痛感させられた思いです。しかし、死にかけた病人でも栄養を吸収する素晴らしい食べ物です。

今月のコラムは他に書くことがありました。けれど、妹のガンが分かり、一層深く『自然療法』について知っていく中で、同じような病気で悩んでいる人たちにも情報を提供できるかもしれない、勇気を与えることができるかもしれないと思い、急遽変更して書かせていただいております。折に触れ、また妹のことについては書かせていただくこともあるかもしれませんがご容赦くださいませ。

今月も最後までお読みいただきありがとうございました。

※文章内の食事法や手当法はすべて東城百合子著『自然療法』参照

文:鈴木久美