9月の栄養学:栄養を効果的に摂る調理法「秋ナス」


旨みがギュッ!ナスの旬は秋

ナスの旬は、8~9月。特に「秋ナス」は、朝夕の寒暖差や日照時間の影響で、旨味がギュッと濃縮されて肉厚になるため、おいしさが倍増します。

日本では、正倉院文書にナスの記述が見られることから、奈良時代には既に栽培が始まっていたようです。初夢の縁起物に「一富士、二鷹、三茄子」という言葉があるように、かつてナスは宮廷で用いられる貴重な野菜でした。

 

紫色の皮に含まれる「ナスニン」

ナスは、90%以上が水分でできているとあって、100g22kcal(日本食品成分表2019 七訂より)と低カロリー。中くらいのナスは70g程度ですので、1本まるごと食べても20kcalに満たないというから驚きです。

ほとんどが水ということで「栄養なんてあるの?」と誤解されがちなナスですが、実はナス特有の栄養が含まれています。重要なのは、ナスの特徴である紫色の皮の部分。赤ワインやチョコレートに含まれていることで有名なポリフェノールの一種「ナスニン」がたっぷり。これが非常に嬉しいお役立ち成分なのです。

ナスニンは、身体の中からサビついて老化させる原因となる活性酸素を除去のため大いに活躍してくれます。アンチエイジング、動脈硬化・脳梗塞の予防にも効果があるといわれています。さらに、発がん物質の活性化を抑制する働きにも期待できます。

カリウムが豊富で、余分な塩分を身体の外へ排出し、むくみを抑えます。夏の暑さや紫外線に疲れ、肌ストレスがたまっていませんか?内臓や筋肉も弱っているのではないでしょうか。それらの機能回復・促進をサポートします。

 

栄養を効果的に摂れる!おすすめ秋ナスレシピ

野菜の中では栄養価が高い方とはいえないのですが、得意なのは、他の食材の旨みや栄養を引き出すこと。
ショウガ、ニンニク、シソ、ネギなどは、栄養価が高い食材ですが、そのままで摂取するのはなかなか難しいもの。ですが、ナスとの相性は抜群です。ナスと一緒に調理することで、他の食材が栄養のポテンシャルを開花させるのです。

 

【揚げナスの生姜和え】

  1. 洗ったナスは、よく水分をとり、丸のまま油で揚げる。
  2. 浸し汁(しょうゆ・おろしショウガ・みじん切りたまねぎ・みじん切りニンニク・かつお節、それぞれお好みの量)に、揚げたてのナスを漬ける。
  3. 冷めたらナスを好みの大きさに切り、上に刻み青シソを乗せる。

 

おいしくて、ナスの栄養を逃さない秋ナスレシピです。
ぜひご家庭でお試しください。

文:ナチュラル・ハーモニー とり