10月の栄養学:栄養を効果的に摂る調理法「チンゲン菜」


チンゲン菜が最もおいしいのは「晩秋」

シャキシャキとした食感が魅力のチンゲン菜。一年を通じて市場に出回っているため、チンゲン菜に季節感を覚えることは少ないかもしれませんが、春と秋が旬なんです。この時期にはビニールハウスではなく屋外で栽培されたチンゲン菜が多く出回ります。

チンゲン菜の味が特に良くなるのは、気温がグンと下がる秋の終わり頃。約50年前、中国との国交再開のタイミングで日本に入ってきた中国野菜ですが、彩り、調理のしやすさ、独特の食感、栄養価の高さなどから、葉もの野菜の中でダントツ人気を誇っています。

 

ガン予防やアンチエイジングに活躍

チンゲン菜は、100gあたり9kcal(日本食品成分表2019 七訂より)と、たいへん低カロリーな緑黄色野菜です。

ガン予防に期待できるβ-カロテンが豊富で、ビタミンB1・B2・Cとの相乗効果によって身体の中をサビつかせる要因となる活性酸素を取り除いてくれる優れモノ。風邪の予防にもよく働き、身体の中から健康を守ってくれる頼もしさなのですが、髪を美しくし、目を守り、皮膚・粘膜や呼吸器系の健康を維持する効果があるので、外見的にもきれいにリフレッシュしたい時にもおすすめです。

さらにミネラルもたっぷり。特にカルシウムについては、カルシウムが豊富なことで有名なホウレンソウの約2倍もの量が含まれているというから驚きです。

余分な塩分を身体の外へ排出して、塩分の採りすぎを防いでくれるカリウムにも恵まれています。骨を丈夫にして骨粗しょう症を防ぎ、イライラを解消し、運動のあとの筋肉のけいれん防止にもよいでしょう。アブラナ科の植物に含まれるイソチオシアネートの効果で、動脈硬化の予防にも期待できます。

これらは、神経の伝達機能、心臓や筋肉機能、細胞の活性化など、あらゆる身体の機能調整に役立つ成分なので、「なんとなく調子が悪いな」と感じた時こそ、チンゲン菜をサッと炒めて食べると良いでしょう。アンチエイジングや老化防止のためにも、意識して採りたい野菜です。

 

栄養を効果的に摂れる!「チンゲン菜」簡単&おすすめレシピ

チンゲン菜の栄養価を効果的に摂れる簡単なレシピを紹介します。
チンゲン菜は、油でサッと炒めるのがおすすめ。熱を加えても鮮やかなグリーンが残っているのでお皿の彩りにもなって、食べる楽しみが増すのも嬉しいポイントといえるでしょう。

チンゲン菜に含まれるβカロテンやビタミンCは、ゆでると栄養が水に溶け出してしまう性質がありますが、油で炒めると効率よく採れます。
ゆでる場合は、ゆで汁まで食べられる味噌汁やスープにすると、逃さず栄養を採れます。

ゆで汁を食べない場合は、ゆでてから切るようにすると、栄養の流出を最小限に食い止めることができます。

 

【チンゲン菜の油炒め おかかのトッピング】

  1. ざっくり切ったチンゲン菜をサラダ油でサッと炒める。
  2. 調味料は、こしょう・しょう油少々。
  3. カツオの削り節を振りかける。

 

【チンゲン菜の牛乳煮】

  1. コンソメスープで、スライス玉ねぎと一口大に切ったチンゲン菜を煮る
  2. 野菜が柔らかくなったら好みの量の牛乳を入れサッと一煮立ちさせる。
  3. 塩コショウでお好みに合わせて味付けする。

 

簡単でおいしくて、チンゲン菜の栄養をできるだけ逃さず摂れるレシピです。ぜひ、毎日の食事メニューに採り入れてみてくださいね。

文:ナチュラル・ハーモニー とり