さつま芋が最もおいしくなるのは「晩秋」
秋になると、ホクホクとした焼き芋の甘い香りが懐かしくなりませんか?
「さつま芋」の旬は10月~1月頃。最も味がおいしくなるのは焼き芋シーズンの晩秋だから、当然といえそうですね。
さつま芋は、採れたてよりも少し保存したものの方が、水分量が減って甘みが増します。そのため、冬の真っただ中に市場に出回っているさつま芋は、甘さがより濃厚になっているんですよ。
さつま芋が日本全国へ広がったのは、江戸の大飢饉がきっかけといわれています。都心部が食糧難のため、鹿児島県の薩摩地方でつくられていた芋の栄養価に注目が集まり、さつま芋と呼ばれるようになりました。
加熱すると甘みが増すことから「あまいも」という別名でも呼ばれることもあります。
ガン予防やアンチエイジングに活躍
意外かもしれませんが、「さつま芋」はビタミンCが豊富。柑橘系のフルーツに続いてビタミンCが豊富なイモ類の中でもトップです。ビタミンCのほか、ビタミンEやβ-カロテンもたっぷり。さつま芋は、若さを保ち、老化を予防する作用があるため、大いにアンチエイジング効果が期待できる抗酸化食品なのです。
抗酸化食品は、風邪をはじめガンや動脈硬化の予防といった命に係わる疾患の予防にも有効といわれる優れモノ。
というのも、ビタミンCは野菜にたくさん含まれていることはよく知られていますが、実は加熱調理すると栄養価がこわれて大半が流出してしまうという特徴があるのです。
その点、デンプンに守られたさつま芋のビタミンCは、加熱しても壊れないというスペシャルなビタミンC。だからこそ抗酸化に役立つビタミンCを効率よく摂れるのです。
食物繊維が豊富なので、便秘や腸内環境の改善に役立つことはいうまでもありません。
食物繊維には、水に溶けにくい不溶性と水に溶ける水溶性のものがあるのですが、さつま芋には両方の食物繊維が含まれています。それぞれの植物繊維は、発がん性物質や有害物質を吸着して体外へ排泄したり、腸内のビフィズス菌などの善玉菌を増加させたりと、別々の有効な働きをして腸内の環境を健やかに整えます。
主食をさつま芋に置き換えて栄養価アップ
エネルギー源になるのに血糖値の上昇率が低く、身体に優しい「さつま芋」。血糖値が急激に上がることが肥満や糖尿病などの生活習慣病につながります。白飯やパンなどの主食をさつま芋におきかえると、エネルギーの摂取量を減らさなくても太りにくく、糖尿病の予防になるといえます。
ただし、生のさつま芋のエネルギーは、100gあたり134kcal(日本食品標準成分表2015年版(七訂):文部科学省より)。加熱すると、皮むき焼き163kcal・皮付き蒸し140kcal・皮付き天ぷら221kcalと、糖分が増します。エネルギー量は十分にありますので食べ過ぎに注意しましょう。
おかずにさつま芋がある時は、主食の白飯の量を減らすなどの調整をすると良いでしょう。お茶碗に軽く一杯の白飯は、約150g・約240 kcal。小さめのさつま芋1本なら150g・190 kcalくらいです。
栄養を効果的に摂れる!「さつま芋」簡単&おすすめレシピ
栄養価の高い「さつま芋」を毎日の食事メニューに採り入れて、老化防止&健康寿命をのばしましょう。
加熱しても壊れないビタミンCが含まれ、油と一緒に摂ると吸収率が高まるβ-カロテンが豊富なさつま芋。これらを効率よく摂ることが、さつま芋レシピの目的です。
ポテトサラダに使う芋を半分、さつま芋にチェンジするのがおすすめです。じゃが芋よりも栄養価の高いさつま芋。マヨネーズなどの油分を加えると、栄養価の吸収率が高まるのでおすすめです。
【さつま芋の薄きり焼き】
1.さつま芋は、皮ごと5mmくらいの輪切りにする。
2. フライパンに薄く油をひく。
3. さつま芋の両面を焼く。
【さつま芋ハーフのポテトサラダ】
1. ポテトサラダを作りたい量の半分をじゃが芋、半分をさつま芋とし、茹でる。
2.芋がゆであがったら皮をはずして軽くつぶす。
3.キャベツやニンジンを茹で、ツナ、スライスしたきゅうりなどお好みで加える。
4.コショウ、ドレッシング、マヨネーズなど、お好みの味付けに和える。
簡単に作れておいしい、「さつま芋」の栄養を効率よく摂れるレシピです。ぜひ、毎日の食事メニューに採り入れてみてください。
文:ナチュラル・ハーモニー とり