12月の栄養学:栄養を効果的に摂る調理法「白菜」


白菜は寒い時期ほど甘くおいしい野菜です

冬の野菜として好まれている白菜の味は、寒さによって高まります。気温が下がって霜がおりる季節になると甘みや旨みが格段に増すのです。冬に鍋物でいただく白菜が、おいしい理由がわかります。

日本料理の食材としてよく利用され、大根やキャベツに次ぐ生産量の高さを誇っている人気野菜ですが、日本で一般的に食べられるようになったのは100年くらい前。それほど古い歴史がある野菜ではありません。

というのも、白菜は、なかなか日本の風土に合う品種が栽培できませんでした。現在、わたしたちがおいしく食べている白菜の何にでも合わせられる絶妙の淡白な味わいや旨みは、本当にすばらしいものですね。白菜は、長い年月を要し多くの人々が品種改良を重ねて育成し、誕生した珠玉の野菜なのです。

 

白菜はダイエット向きの優れた健康食材です

大きく育った白菜は、まるまると大きく、ずっしりとした重みがありますね。みずみずしくて張りのある色鮮やかな葉がおいしい白菜の特徴ですが、その中身は95%が水分。100gあたり14kcalとあって、非常に低カロリーな食材です。

不要な塩分を身体の外に出す働きがあるカリウムが多く含まれているうえに食べ応えがありますので、体重管理やダイエットにもおすすめの健康野菜です。

カリウムは加熱すると溶けて流れてしまいますので、できれば煮汁も一緒に食べられるスープやシチューにするのがおすすめです。じゃがいもなどカロリーが高い食材を控え、代わりに白菜たっぷりのシチューにすれば、ダイエット効果が高まります。

 

イソチオシアネート効果で風邪もガンも予防!

白菜はアブラナ科に属する野菜。アブラナ科の野菜の特徴は、イソチオシアネートという老化を予防する成分を摂取できること。イソチオシアネートは、植物が過酷な自然界の環境から自分自身を守るために有しているフィトケミカルという機能成分のひとつです。

イソチオシアネートは、高い抗酸化パワーがあるので、身体の中のサビ付きを抑制します。つまり、アンチエイジングのために活躍する成分なのです。

そのため血管の老化を予防し、動脈硬化や発ガン性物質の抑制、カリウムによる利尿効果で身体に不要なものを排除する効果があるといわれています。

身体を若々しく保つために必要なパワーを発揮するので、健康で美しくあるためにも、白菜は食事メニューにぜひとも採り入れたい食材です。

 

相性のよい食材を組み合わせてパワーアップ!「白菜」簡単&おすすめレシピ

「白菜」のアンチエイジング機能、ダイエットパワーを毎日の食事メニューに採り入れて、イキイキとした若さを得て健康寿命をのばしましょう。

【白菜と豚肉の重ね蒸し】

  1. 豚肉と相性がいいので、鍋に白菜と薄切り豚肉を交互に重ねてミルフィーユ状態にします。
  2. 酒とコショウを振りかけ、蓋をして、酒蒸しにします。
  3. ポン酢しょうゆ、からし醤油でアツアツをいただきます。

簡単に作れておいしい、「白菜」の栄養を効率よく摂れるレシピです。
相性の良い豚肉と合わせることで、豚肉に含まれるビタミンB1による疲労回復や風邪の予防にもおすすめ。ぜひ、毎日の食事メニューのひとつに加えてみてくださいね。

文:ナチュラル・ハーモニー とり