6.食材の五性:身体を冷やす食べ物、温める食べ物


1、食材の五性

食材には、4つの「気」があります。

「陰」に属する「寒」「涼」には、鎮静化作用があります。

「陽」に属する「温」「熱」には、身体を活性化する作用があります。

また、食材独自が持つ性質が著しくなく、比較的穏やかな作用のものを「平」と呼び、この5つで「食材の五性」と呼びます。

2、食材の例

「寒涼」の食材には、トマトやナス、キュウリなどの春夏野菜や、すいかやバナナなどの果物があげられます。
体内から発する熱を冷まして、鎮静作用を与えます。

「温熱」の食材には、香辛料や生姜や紫蘇などの薬味、羊肉や鶏肉などの肉類があげられます。
冷えを取り除いて体の芯から温め、かつ、興奮作用があります。

「平」の食材には、穀物やイモ類、きのこ、キャベツ、ぶどうなどがあげられます。
「寒」と「熱」の特徴があいまいで、常食に向いている身体にやさしい食べ物です。

例えば、寒い期間が長く続く北海道では、羊肉によるジンギスカンがよく食べられますね。また、暑い期間が長い沖縄では、豚肉が料理に多用されます。このように、その地方で昔方食べられている料理の素材を見ると、その中の五性の役割を感じることができます。

体調、特に舌の状態をみてから、その時期の献立を考えること、五性を使うことはとても有益だと思います。

2、実践例

また、これは一子相伝で営んでいた漢方薬店の店主が言っていた言葉です。
日本は四季のある島国です。現代は望みさえすれば1年中好きなものをなんでも食べられる時代ですが、あえてそれをやめましょうと。

日本で取れる果物は、温州ミカンやりんごぐらいです。なぜなら、身体の芯から冷やす必要がないからです。フルーツを利用したダイエットもありますが、多くのフルーツが南国で栽培されています。つまり身体を冷やすことにつながります。

日本人女性がダイエットを考えた場合、栗や銀杏などの好みを毎日少しだけ身体に入れ、芯を温めて行く。にんじん100%でしぼられたジュースを飲むなどして、水の巡りを良くしていくことで、理にかなった身体づくりができるということでした。

その国のその土地で取れる地場の農作物には、必ず、身体にとってのメリットがあるのです。

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