おまけのコラム:人参と生姜、そして、病気から学んだこと


私は、人参が大好きでした。
といっても、田七人参ではなく、野菜の人参です。

普通子どもは、人参のあの独特な味を嫌うのに、私は逆に大好きで、食卓に人参が出ると、家族の分までもらって食べていたくらいです。

はじめて読み書きできた文字も「にんじん」。
往々にして自分の名前が先だろう読み書きで「にんじん」を読み書きするとは、いったいどれくらい好きだったかです。幼稚園の借り物レースでは、ばっちり「にんじん」が出て、徒競走では万年びりでも、はじめて1位を取りました。人参様様です。

長じて、どんな料理のレシピにも人参を使うようになりました。
台所から人参が消えた日はありません。

成人してからか、人参と同じくらい「生姜」も好きになりました。生姜はどの料理にも入れるというわけにはいきませんが、使える料理には刻んだりすったり、千六本にしたり。たぶん、人の倍は食べていたかと思います。
体が欲していたのですね。

 

 

それが、です。

ある時、体中が痒くて眠れない晩がありました。
前の日に何を食べただろう。
消去法をしていくと、怪しいのは漬物に入れた生姜。

なんで?。

それからも、注意して料理してみると、やはり生姜を料理に使った日は、痒くて眠れなくなるのです。その症状はどんどんひどくなって、呼吸が苦しいまでになりました。

そして、回転ずしのイカにほんの少しだけ乗っていたすりおろし生姜を口にした瞬間、呼吸ができなくなりました。
病院に運ばれた私に「生姜アレルギー」の診断がつきました。

生だけでなく、紅ショウガもガリもそのころにはダメになっていたからです。
大学病院においても、アレルゲンの項目には生姜は入っていないので、私独自の病名ですが、ネットをみると私だけではなかったのです。

大好きな生姜が食べられなくなるのはとても残念でしたが、生きるためには仕方ありません。私たちが日ごろ口にしている食物は、すべてアレルゲンを持っています。いつアレルギーとして自分を攻撃してくるかわからないのです。

そういう意味で、漢方による薬膳は、身体に合ったものをオーダーメイドされる食事だから、身体が欲しているもの、必要なものが組み合わされて出てくるわけです。

 

 

人間の身体は、すごい仕組みだと思います。

教科書では、生姜はいいもの。
でも、そのときの私の身体はそれを弾くという選択をした。
理由はわかりません。

でもなんだかわからないけどそれは私の身体にとっては必要なことだと思うのです。

それが私にとって必要のあることだから起きる、
それは私にとって必要のないことだから起きない。
病気もすべて。

まるで、食と身体の関係を通じて、人生の凸凹の意味を紐解いてくださっているようです。

病気になるたびに、いつもこう想います。

 

今日一日、感謝をしよう…
そして、謙虚にしよう…
そうだ、明るく朗らかにしなくっちゃ!

それと… だれかに、どんなものでも、
小さなことでも、誰にも気づかれなくても、
親切にしよう

忘れるな、じぶん。ファイト!

≪9.まとめ 1.漢方とは≫